パークハイアット上海
昨年夏、鳴り物入りでオープンした上海環球金融中心。その79階から93階に“超”鳴り物入りでオープンしたのがパークハイアット上海。仕事がら、上海の名所はことごとく制覇しておきたいのだけど、最も安い部屋でも1泊5000元と聞き怯んでしまった。密かにホテル側から「いい記事書いて」と宿泊招待でも来ないものかと待つこと半年。ついに!。。。。。来るわけもなく、いたずらに時は過ぎて行った。 ところが、ふと弊社サイトで見てみると1泊2500元を切っている。未だに高いといえば高いけど、オープン当初に比べれば半分である。この機会を逃しではならじ、とさっそく“自腹”で泊まりに行くこととした。 入口はオフィス塔や観光展望台とは異なるホテル専用のものがあるが、他の入口と同様空港のような荷物検査があるのは少々面倒ではある。
フロントデスクのあるロビーは87階。地上階からのエレベーターはノンストップでロビーフロアにつく。頭の中でカウントしたところ、1階から87階まで40秒ほどだったので、エレベーターの速度は秒速2階! 14時少し前に到着したが、部屋がまだ準備できていないとのこと。しょうがないので、ロビーまで上がってきたエレベーターに再び乗り、91階にあるレストラン「100 Century Avenue」へ ランチを食べに行く。 100 Century Avenueは、91階ワンフロアを使っており、中華・西洋料理・和食(寿司)がチャンポンに載せられたメニューから選択することができる。“味盲”と呼ばれる僕なので、味についての評価は控えなくてはならないが、少なくとも寿司に関しては疑問符が2つか3つ付く内容ではあった。また、中華・西洋料理・和食から選べるというのは気がきいているようではありながら、結局のところそれぞれの中での選択のバラエティは限られてしまいなんとも残念。中華・西洋料理・和食それぞれの厨房があることとか、宿泊者以外が多く、いろいろな人がうろちょろ動き回っていることとか、高級ホテルのレストランでありながら、どうしてもフードコートのような雰囲気が漂ってしまっている。ただし、もちろん、眼下に上海の景色を見下ろすことができる。
食後、ロビーフロアにもどり、チェックイン手続きをしてくれた女性に連れられて部屋へ。彼女はくどいほど丁寧に部屋の設備等の説明をしてから戻っていた。 最低価格の部屋をとったのだが、かなり広く約60平米もある。ふかふかベッドや液晶テレビはもちろんのこと、DVD機やi podデッキ、コーヒーメーカーなどもある。 フロント小姐曰く、「森ビルだから」とのことだが、トイレはウォシュレットで蓋も自動で開閉するタイプ、風呂は洗い場があり、そこには木製の桶が置かれていた。注目したのは風呂の水が透明なこと。中国のほとんどの住宅やホテルの水はうっすらと黄色くにおいもあるが、ここパークハイアットの水は透明かつ無臭。これは大いに評価できる。ちなみに水圧も非常に高く、今いる場所が地上400メートルの地点であることを考えると、ものすごいエレルギーが費やされているような気がして、なんだか不思議な気分。黒と白を基調とし無駄な装飾のない部屋も大変感じがよく、そして窓からは絶景。部屋には大変満足。ただし、部屋にわずかににおいがあった。香水のかおりではないと思う。おそらくカビのにおい??
飲食施設は、上記の100 Century Avenueの他に、ロビーフロアにカフェとバー、レストラン、92階にバーが2軒あり、さらに93階には個室レストランがある。ロビーフロアのカフェは西側に位置し、天気が良ければ金茂大廈の頭の部分や東方明珠タワー、外灘などの絶景を望むことができる。最低消費100元が必要だが、まあ景色代だと思えば高くない。
ロビーフロアのレストランは、フロント小姐いわく「メインダイニング」ということで、高級フレンチか、と期待して夕食をとってみたが、フレンチというよりは西洋料理というか、コンチネンタル料理とでもいうべきものだった。やはり味についてのコメントは控えるが、少なくともいえるのは、100 Century Avenueもそうだが、テーブルクロスがなく木製のテーブルに直接皿が置かれるので、どうしてもカジュアルな感じである。また、店の位置が建物の東側なので、外灘などの景色はほとんど見えない。
91階で乗り換え別のエレベーターで行く92階にはジャズバンドが入る比較的賑やかなバーと静かなバーの2軒がある。賑やかなバーの方には、なんと最低消費一人400元なんて席がある(誰も座っていなかった)。これらのバーは外壁に接しておらず(外壁側は91階からの吹き抜け部分)、外の景色とはほとんど関係ないのは立地の無駄遣いでなんとも残念。 パークハイアット上海全般に言えるのは、なんだか落ち着かない、ということ。レストランにしてもカフェにしてもロビー周辺にしても、ともかく宿泊者以外の客が多すぎる。そのためか、レストラン等のスタッフも、客への態度が少々そっけないような気がする。まあ超高層ビルに入居したこのホテルの宿命なのだけれども、これでは上海一の高級ホテルにはなりえない。 ただ、ホテル入口 - ロビー - 91階レストランとつなぐエレベーターとは別に、ロビー - 各客室 - スパ・ジム・プールをつなぐエレベーターがあり、そちらの空間は宿泊者以外は出入りしないので落ち着いた雰囲気がある。 屋内プールはスタッフ以外に他に誰もおらずゆったりと利用することができた。泳ぐのに飽きたらプール横のジャグジーに入ったり、プールサイドのソファで読書をしたりしてのんびりすることができる。ロッカールームには、窓から外の景色を見ることができるミストサウナがある。
スパは、上海のホテルの中では高めだが、セラピストの技術も高く大変満足できた。■ (2009年4月記)
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