フォトギャラリー 山海関
山海関
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天下第一関に掲げられている山海関周辺図。長城によって南北が隔てられていた様子がよくわかる。 |
天下第一関と呼ばれるかつての関所 |
山海関の長城は山から海に向かって連なっていて、さらに、長城を四角形の一辺として旧市街地を四角くとり囲む城壁が築かれている。ちょうど海の水を飲む龍の腹に子がいて腹が大きく膨らんでいるような形になっているのだが、腹の部分の城壁は首や尻尾の部分の城壁よりもずっと高く重厚である。小島たちの乗っている車から腹の部分の城壁がみえている。昼に下見をしたときには、五〇〇年以上も前にこんなものをつくったこの国の大きさと、それと対照的な日本の小ささをつくづく感じたのだが、夜に月明りのもとでそれをみると、また違った、怖いような感覚があった。絶対に越えることのできない壁にとりかこまれて、その壁が少しずつ距離を詰めてくる。そして最後には押しつぶされてしまうような、そんな感じがした。
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長城
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長城の城壁の上部。とはいえこれは天下第一関の上であり、通常はこれほど幅は広くない。 |
長城の一部。崩落まぢか。 |
月のあかりに輝く青藍の長城を、二本のロープに吊るされたトランクがゆっくりとのぼってゆく。
小型トランクのなかには二千枚の銀貨が詰められている。重さは成人女性ひとり分はあるだろう。海に向かって吹く冷たい風にあおられることなく、トランクはほとんど揺れずに引き上げられてゆく。
……(中略)……
トランクは全部で十個。それをひとつずつ、二百メートルほど離れたところに停めてある車から林を抜けてここまで運び、長城の向こう、すなわち満洲国側から投げこまれたロープに結わえつける。長城のうえにいるふたりと向こう側にいるひとりがロープを引き、トランクが長城を越えたら次を車にとりにいくのだが、その間に十分以上を要している。
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老龍頭
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海にせり出す老龍頭 |
左の写真の場所を海岸からみたもの |
遥か二千キロかなた西にはじまる長城はこの山海関で海に連なる。まがりくねった龍の姿に例えられる長城の先端の海にせりだした場所は老龍頭と呼ばれる。いまいる場所から老龍頭までは歩いて十分もかからない。深夜の静けさのなかで、遠くにさざ波の音が聞こえている。 |
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