夕食前にマーケットを除きに歩いてでかけるが、実は一つの目的があった。町の中を車で走っている際に、商店の店先に、花博で私に第三の感銘を与えた、あの白族の小姐が笑っている大理ビールの宣伝ポスターが貼られているのを見かけたのだ。これを是非入手したい。大理に行けないのだから、せめてあのポスターだけでも・・・
その商店の売り子の小姐に「大理ビールの写真を売ってくれ」と言うが、何のことを言っているのかわからないようでキョトンとしている。過去にポスターをくれなどと言ってきた人は一人もいないのだろう。小姐を店頭につれていきポスターを指差してやっと理解してもらった。小姐は「持っていっていい」と言う。お礼に30元渡そうとしたが、小姐は「お金なんかいらない」と頑なだ。こちらも「是非受け取ってくれ」と頑張ったのだが受け取ってもらえない。結局はタダでもらうこととなった。その成果が左の写真である。
ところでこの町で感じるのは、人々が実にフレンドリーでかつ親切なことだ。この小姐もそうだが、ガイドや運転手はもちろん、ホテルの従業員、道を尋ねた通りすがりの人など、私が接触した人すべてがそうであった。人々のこうした性格が当地の旅行をさらに楽しいものにしてくれる。この地が「シャングリ・ラ」らしい所以の一つでもある。
翌日は帰化寺へ。この寺はラサのポタラ宮を小さくしたようなもので、敷地面積は3万平米強、写真のように、小高い丘の一面に段々畑のように広がる。1679年建立、ゲールグ派(黄教)で、雲南チベット仏教の総本山となっている。乾隆帝の時代には1226人の僧が住んでいたとのことで、現在でも700人の僧が住んでいる。
入口でガイドより白若しくは黄色の布を買うように勧められる。後で高僧に会う時に使うとのことだ。「使う」と言ってもどう使うのかよくわからなかったがガイドの言うとおりにする。
入って右手は本堂で、内部は赤や青などの原色でカラフルに塗られており、バターの香りがする典型的チベット寺院である。色をつけたバターの粉で作られたマンダラがあった。一粒一粒を手作業で丹念に作ったもので、制作には相当の日数も要しているに違いない大変貴重なものだ。
階上には、高僧(生き仏)がおり、来訪者のために祈ってくれる。
この高僧、名はツテンチュデンといい、若い頃にインドにて修行をしたそうだ。当地の高僧は4人いるそうで、うち2人はラサに滞在中とのことである。高僧に祈ってもらう時の定型スタイルがある。部屋の入り口にて中国式に膝をついて3度拝んだ後、前へ進み出て、高僧の足元でひざまずく。この時の視線は床であり、顔を間近に見ることはできない。高僧は、何事かを祈りながら白い布と赤い糸を首にかけてくれ、さらに飴をくれる。
入口左手は、女性禁制の僧侶の厨房等で、男性のみが見学することができる。
昼食の後、市街地から8キロ、約15分程度のナパ湖へ。湖と言ってもこの季節は水がほとんどかれ、ヤクが放牧されている。別にこれといった見所があるわけではないのだが、のんびりと時間を忘れてボーッとヤクと山々を見ていればいい。
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