蘇州金鶏湖ゴルフクラブ

名称には「金鶏湖」とあるが、実際には蘇州東部の工業園区内、金鶏湖のすぐ南にある独墅湖岸に立地するゴルフ場。上海虹橋からは高速道路利用で１時間半程で着く。

ゲーリー・プレーヤー設計の本ゴルフ場は、各9ホールのリンクスコース、ウェットランドコース、フォレストコースの全27ホールから成っている

中でも印象深いのはリンクスコースだ。湖沿いの荒涼とした雰囲気で、うねったフェアウェイと脛ぐらいまである深いラフ。これで強い風が吹けば全英オープンの舞台とも錯覚しそうな景色だ。そして“ゲーリープレーヤースタイル”のバンカー。リンクスコースの各バンカーはアゴが土嚢で固められており、フェアウェイ内のバンカーであっても時に真横に出さざるを得なくなる。

名物ホールというべきなのはこのリンクスコース5番のショートホール。上海では新鮮なかなりの高低差がある打ちおろしのホールで、グリーンは横に細長く、縦の幅は10ヤードほどしかない。グリーン手前のバンカーは身長ほどの深さがあり、このバンカーに入ってしまったら、土嚢で固められた直角にも見える壁を越えていかなくてはならない。かといって手前のバンカーを避け長く打ちすぎるとグリーン奥にも別の難しいバンカーが待ち受けている。

ウェットランドコース、フォレストコースは、それぞれ文字通り、前者は池が多く、後者は木が多いことが特徴となっている。

メンバー優先の姿勢の強いゴルフ場である。メンバー及びメンバー同伴のゲストのみプレー可能で、平日であっても、ビジターはむろんのこと、会員紹介があっても会員同伴がない場合はプレーできない。キャディのユニホームの背中には会員のキャディには赤い字で「MEMBER」と、ゲストのキャディには緑の字で「GUEST」と書かれている。ちなみに現在のところ日本人メンバーはかなり少ない。

蘇州市街より近いのでやむをえないが、コース周辺にアパートが多数建っているのが気になる。ゴルフではやはり都会の雑踏を忘れたい。俗世が見えないに越したことはない。

クラブハウスはゆったりと作られており、豪華で気持ちがいい。レストランは中華とウェスタンの二つがある。ただウェスタンとはいっても中華や和食もメニューに載っており、すなわち多国籍料理だ。ちなみにペンネ・アラビアータを注文したところ、しばらくしてウェイトレスがやってきてペンネがないといい、最終的に出された“スパゲティー”アラビアータは、きついタバスコ味で、麺は中華焼きそばと表現したくなるようなものであった。

名物ホール：リンクスホール5番ショートホール
高低差がある打ちおろしのホールで、グリーンは横に細長く、縦の幅は10ヤードほどしかない。グリーン手前のバンカーは身長ほどの深さがある。