18ホール、7192ヤードの本コースの設計は、ハワイのマウナ・ラニなど世界で70のコースを手がけた「Nelson & Haworthゴルフデザイン」。上海の他のコースと比べた最大の特徴は起伏が多いこと。大規模な造成により、打ち下ろしのホール、砲台グリーンなどが作られ、フェアウェイも相当のアンデュレーションが作られている。平坦なコースに慣れた上海のゴルファーには新鮮でうれしい限りだ。例えば3番ミドルホールはフルバックティーからでも362ヤード、フロントからは306ヤードに過ぎないが、セカンドショットの地点からはグリーンの面が見えない砲台グリーンとなっている。短ければグリーンを捉えてもボールは坂を下ってくる。8番ホールの打ち下ろしのティーショットは高低差12メートルだそうだ。
コースレイアウトは池、バンカー等をふんだんに使い戦略的で、毎ホールで攻め方を悩む。2番左ドッグレッグのロングホールは、バックティ・フロントティともに500ヤード前後と短く、ティーショットでそこそこ距離を出しておけば十分にツーオンが可能となる。しかし、ティーショットをまっすぐ打つと正面のバンカーにつかまる。左にはクリークが走り左からも攻められない。ここは正面のバンカー方向からドローボールを決めたい。ただアプローチのショットも、フェアウェイ左からグリーン手前にかけては全て池、右にはバンカーが並び、油断は全くできない。
名物ホールといわれるのは8番ロングと16番ミドル。8番のグリーン周りはオーガスタ13番を模しているとのことで、グリーンのすぐ手前を左から右に斜めにクリークが流れ、グリーン奥には深いバンカー。グリーンの奥行きはわずか10ヤードほどしかない。フルバックからは603ヤード、バックからも584ヤードもあるのでどんなに飛ばし屋でもサードショットを打たねばならないが、150ヤード地点から打つとしても、グリーンは一筋の糸のように細く見え、相当のプレッシャーがかかる。
16番は逆に、フルバックからでも288ヤード、レギュラーティーからは251ヤードしかないワンオンも狙えるやさしいホールだが、右手に深い谷がある印象的なホール。谷の深さは50メートルにもなるとか。ここは採石場の跡地なのだそうだ。
ラウンドは、乗用カートをプレーヤーが運転し、キャディが後ろに立って乗るスタイル。プレー進行管理が結構厳しくなされており、前の組との間が空くとすぐにマーシャルが飛んでくる。10番ホールのすぐ横に広い練習場がある。原則として芝から打つことはできない。会員以外は有料。
タイガーウッズをも招いてHSBC Championship が当コースにて開催されている。本大会は当地上海の例年行われる大きなスポーツイベントのうちのひとつとなっている。
本ゴルフ場は「会員制の厳格な運用」が運営方針の柱となっており、会員同伴でない限りはプレーを認めないとのこと。週末に関しては各パーティに会員1人が求められる(平日に関しては1会員で数組まで予約可能)。
9番ホールグリーン奥に見える豪華なクラブハウス | 各ホールは「別墅」で囲まれているが、この別墅の所有は上海人にとって最高のステイタスとのことで、その結果異常な高値となっており、1億元(約14億円)を超えるものもあるのだとか。
クラブハウスはかなり豪華だが、日本人好みとは言えないかもしれない。内部は石造りで温かみがなく、風呂は広いが湯はぬるく、湯船につかる気はあまりしない。
名物ホール:8番603ヤードロングホール
ティーショットは高低差12メートルの打ち下ろし。グリーン周りはオーガスタ13番を模しており、グリーンのすぐ手前を左から右に斜めにクリークが流れ、グリーン奥には深いバンカー。グリーンの奥行きはわずか10ヤードほどしかない。
オリジナル稿編酋長’s Eye「佘山(She Shan/シャーシャン)ゴルフクラブ」 |