上海カントリークラブ（青浦）

上海市街地から約40分。パー72、7,025ヤードのチャンピオンコース。

ロバート・トレント・ジョーンズ・ジュニアの設計で、各ホールとも池が巧みに使われており、距離が短いホールでも必ず落とし穴がある。シングルプレーヤーの多くは、ここが上海一コースレイアウトがおもしろいコースであると断言する。ただ初級プレーヤーにはタフ過ぎるようで、オープン時に比べればコースに手が入れられ若干やさしくなった。例えば８番ホール。グリーンが左サイドの池に出島のように突き出し、右側が全てバンカーで固められており、従来はボールが少しでも左にそれると斜面を下って必ず池に落ちたものだ。しかし先ごろ斜面の下に平らな部分が付け加えられ、ボールが止まるように改造された。

ここでは勇気と正確なショットの両方が求められる。勇気だけの者には大きな罰が待っており、正確さだけの者はライバルに大きな差をつけられる。例えば右にほぼ直角に曲がるドッグレッグミドルの３番ホール。右手に広がる巨大な池をドライバーで斜めに越えていけば、もはやアプローチの距離が残るだけとなるが、わずかなスライスボールは池落ち、池を恐れて引っ張ったりフックするとフェアウェイを突き抜け深いラフにつかまってしまう。安全にアイアンでティーショットをすると、セカンドショットでバンカーと池で完全に囲われたグリーンを捉えるのが相当に難しくなる。左サイドがずっと池で、グリーンがその池に迫り出す15番ロングホールなども、最短距離を行けば困難なくグリーンへ２打で届くのだが、ツーオンのためにはティーショットでは左側池を恐れず勇気をもってフェアウェイ左にボールを配し、さらに距離も方向も極めて正確なセカンドを打たねばならない。

クラブハウスには上海でチェーン展開をしている日本式ファミリーレストラン「シャロン」が入っている。店ごとで客層に味を合わせるためか、シャロン各店の味はそれぞれずいぶんと異なるのだが、我々日本人の舌に最も合うのは日本人利用者が過半を占める本ゴルフ場のシャロンかもしれない。

上海で（正確にいえば中国解放後の上海で）最も早くオープンしたゴルフ場で、90年代末までは、上海駐在員の唯一ともいえる憩いの場所であった。いわゆる「中国投資ブーム」の頃に進出した企業の多くが本ゴルフ場の会員券を購入したので、駐在員でコンペをする際などにはコンペ参加者がメンバーである確率が高くなり便利である。しかし、会員数が多いことから週末のラウンドに時間がかかる傾向にある。

もともとは日本・アメリカ・中国の共同プロジェクトとして設立されたので、フロント、レストランなどで日本語が通じる。第二クラブハウスでは、食事の他宿泊もでき、さらにテニスコートやプールも完備している。また、3ホール（ミドル×２、ショート×１）の練習コースもある。

名物ホール：13番575ヤードロングホール
S字に曲がるこのホールは、ティーからグリーンまで左右にずっと池が続く。グリーンにたどりつくまで全く油断ができない。グリーン前の花道も細く、簡単に大たたきをしてしまうホール。