九龍山将軍ゴルフクラブ

7番グリーンから東シナ海を望む

九龍山をGoogleマップの航空写真で見てみれば、華東地区ではめずらしく丘陵が連なるエリアであることがわかる。その上ここは海沿い。この絶好の地形を活かしてつくられたゴルフ場が九龍山将軍ゴルフクラブである。

九龍山リゾートは650ヘクタールの広大な敷地にゴルフ場の他、ホテル、別荘、ビーチ、ヨットハーバー、ポロ競技場などが併せて開発される大型会員制リゾート。ホテルはウェスティンホテルがマネージメントとして入ることが決まっており、2019年4月にオープンする予定となっている。

バンカーの形が特徴的な3番ショート。 ティーショットは東シナ海に向って

ゴルフ場は27ホールが造られる予定で、2007年初夏に18ホールがオープンした。9ホールそれぞれに「山岳」、「海浜」、「荘園」と特徴がもたされており、うち海浜コースと山岳コースがオープンしている。パー18。オープン当初は7500ヤードだったが、6番ショートの位置が変わり11ヤード短くなりブラックティーで7489ヤードとなっている（ゴールド、ブルー、ホワイト、レッドはそれぞれ7023ヤード、6403ヤード、5865ヤード、5354ヤード）。

6番打ち下ろしのショート

海浜コース（Ocean Course）はその名の示すとおり海沿いの美しいコース。3番及び6番ショートは丘の上から海に向って打つ高低差のある打ち下ろしで、風の計算が難しい。特に新設の6番ショートホールグリーンは縦に細長く、ティーショットでピンに寄せるのは簡単ではない。4番はティーグランドからグリーンまで東シナ海に沿うホール。距離もありホールインデックス2の海浜コース最難のホール。グリーンへのショットは海越えとなる。7番は難しくはないが馬の背の美しいホール。

13番のアイランドグリーン

山岳コース（Quarry Course）は高低差18メートルの16番（山岳コース7番）ショートなど、そのアップダウンは上海随一。上海の他のコースは造成で無理やりアンジュレーションが造られているが、ここは天然の丘陵が活かされているので当然といえば当然である。また、13番（山岳コース4番）ショートのアイランドグリーンや14番・16番（山岳コース5番・7番）グリーン奥にそびえる岩の壁など、特徴のある印象深いホールが多い。

本コースの難点を敢えて挙げるとすると、山岳コースにおいて各ホールから火力発電所の煙突が見えることだろうか。九龍山の緑が美しいだけに残念ではある。また、フェアウェイがきれいなベント芝なのだが、上海の灼熱の夏を耐えられるかが心配ではある。2008年夏には案の定少々枯れてしまった。2009年7月上旬時点では状況は非常に良かったが、今後どうなるか……それからもう一点。キャディーのグリーン上のアドバイスはアテにしてはいけない。

コースデザインはRon Garl及びTroon Golf Management。いずれもアメリカ。

クラブハウスは荘園クラブハウスと海浜クラブハウスの二つが建設される予定。

名物ホール　4番471ヤードミドル

4番ホール。海を越えてグリーンを狙う

ティーグランドからグリーンまで右手にずっと海に沿うホール。右ドッグレッグでグリーンへのアプローチは海越えとなる。ブラックティからは471ヤード、ゴールドティからでも441ヤードと距離があり、グリーン右手から手前にかけては深いバンカーで固められてらているため、ティーショットで海を恐れず右側に寄せておかないとセカンドショットは相当に厳しくなる。