最近、ちょっとスパにはまっている。まあ、「はまっている」というのは大げさかもしれないが、「スパ好き」であるのは間違いない。富春リゾートのスパを利用した時からだろうか。出張先や旅行先など、スパがあれば行かずにはおられない。
上海の街中のマッサージに比べれば価格は10倍にも20倍になってしまうけれども、上海にいながらにしてリゾート気分を味わえるのがいい。マッサージ等の技術はもちろん、エスニックな落ち着いた内装、時間の流れが遅くなったかのような錯覚に陥らせるスタッフのゆったりとした身のこなし、落ち着いた照明、そして音や香までをも含めた総合演出が心からリラックスさせてくれる。
上海にはいくつかのスパがあるが、双璧というべきはBanyan TreeとMandara
Spa(といっても実は、それ以外のスパには行ったことがないので公正な評価とはいえないのだけれども)。いずれも世界でチェーン展開する高級スパだ。
その二つを敢えて比較するとどうだろう。微妙な違いだし、そう何度も行ったわけでもないので比べるのは難しいが、本連載の冒頭に「辛口とまではいかないまでも、いいものはいい、悪いものは悪いと書」くと宣言したからには、なんらかの評価をしなくてはならない。
Banyan Treeは、受付が店の前のホテルの廊下部分にある点はイマイチである。メニューを、説明を受けながら時間をかけて選ぶのもスパの一つの楽しみ。結婚式の受付みたいなところではのんびりとした気分になることはできない。店の外側はMandara
Spaの方がごちゃごちゃしていなくていい。ただ店の中に入ると、Banyan
Treeの方が小部屋がより高級な感じがするとか、Mandara Spaは小部屋の外の音がよく聞こえ少々煩わしかったりなど、Banyan
Treeに軍配が上がるかもしれない。サービスについては、Mandara Spaの方がよりフレンドリーで気持ちがいいような気もする。ただ一方で、足湯のお湯やお茶が少しぬるすぎたり、音楽が大きすぎたりなどの難点もある。Banyan
treeの方が多少洗練されているといっていいのかもしれない。
両者ともに予約は必須。特にBanyan
Treeの方はかなり混んでいるので、当日の予約では希望の時間はとれないことが多い。それから予約時間の10分くらい前には必ず到着するように。遅れると料金は変わらず時間だけ削られることになる(予約がいっぱいで後が詰っているので、これはやむを得ない)。
なお、男女二人で同じ部屋を利用することもできる。ちなみに日本では条例で認められていないのだそうだ。
価格は1時間のマッサージなら780元~。リゾート地の場合より数十%安く、東京に比べれば半分くらいの値段。日本人利用者の過半は旅行者で、上海駐在の奥様方による利用も多いというが、上海駐在の男性による利用はほとんどないのだそうだ。“King
Service”もいいけれど、たまにはスパでリゾート気分を味わってみてはいかがだろう。
(2005年6月記)