  
				垂直尾翼の虎柄がかわいい 
				 
				
  
				  		
				ワインの缶詰と機内誌。 「ローコストエアラインオブ ザイヤー」の賞を獲得した由。
  
				  
				シンプルな機内。 
				
  
				  
				虎柄のベルトの上に素肌の腰が見えている
 
  
				  		
				一見倉庫のような「バジェットターミナル」。
  
				 
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	シンガポールへ行く用があり、シンガポールエアのウェブサイトで航空券の予約をしようとしていた時、ふと最近読んだ日経新聞に「昨今アジアで格安航空会社がはやっている」との記事が載っていたのを思い出した。ちょっと調べてみると格安航空会社の草分け的存在ともいえる「タイガーエアウェイズ(Tiger Airways)」が中国の複数都市からシンガポールへの便を持っているらしい。 
		  流行の格安航空ってのはどんなものなのか?是非乗ってみたい。 
		  タイガーエアェイズはシンガポールエアの子会社で、徹底的な合理化によって格安航空運賃を実現しているらしい。 
		  タイガーエアェイズのウェブサイトを見てみる。 
		  なんとアモイ-シンガポール間についてはわずか約5000円!中国大陸からは、上海からの直行便はないものの広州・深圳・海口からの便があるようだ。ちょっと体力的にはきついけれども「これも取材」と思うことにして、行きは上海-海口間を国内線を利用して、海口で乗り継ぎタイガーエアウェイズでシンガポールへ飛ぶことにした。そして帰路はもの好きにも最低価格を極めようと思い立ち、シンガポール-マカオと飛び、そこからフェリーで深圳、深圳から国内線で上海へという便を予約した。 
		  予約時 
		  ウェブサイトはなかなかよくできていて、オンラインで価格のチェックや予約はむろんのこと、座席指定もできる。ただ座席指定には500円ほど支払わなくてはならず、最前列の足元が広い席などについてはわざわざ別料金が設定されていて、 
		      約2000円の追加料金を支払わなくてはならない。ちなみに僕は搭乗の数日前に席の指定をしたのだけど、既に抑えられている席はわずか数席程度で、約2000円の付加料金が必要な席については一つも予約されていなかった。 
		  ゴルフバックなどの大きな荷物がある場合も、ネット上で1個あたり約2000円の追加料金を払う。 
		  予約は自社のインターネットでとることを原則とし、営業所等にかかる費用を削減しているようだが、インターネットがこれだけ普及した今、それで充分だと思う。利用者にとっても、乗ろうとする航空会社のウェブサイトで最低価格のチケットが購入できるのなら、あちこち安い航空券を求めてまわる手間が省けていい。 
		  機内にて 
		  機内は、食事や飲み物のサービスはあるものの、全て有料。有料とは知らずにワインを頼み、後から料金を請求されて戸惑った。ちなみにそのワインは缶に入っている。缶に入っているというだけでかなりおいしくなく感じる。 
		  通常どこの飛行機でもシートのヘッドレスト部分には布が付いているが、それがない。布を張るためのマジックテープがむなしくむき出しになっている。さらに、映画はもちろんのこと、音楽などを聞くためのイヤホンジャックすらない。 
		  フライトアテンダントのユニフォームは、ベルトのところに豹がら模様の布を巻いているのが特徴的ではあるのだけど、それがなければなんだか近くのコンビニに買い物にいく女子大生といったような風体だ。大学生のころ「スチュワーデス」との名称に対して無条件に興奮していた自分は何だったのかと思ってしまう。長袖のTシャツの胸のあたりにはビザの宣伝が入っている。服装から判断してはいけないかもしれないけれども、いかにも人件費が安そうだ。 
		  空港 
		  シンガポール空港では発着ともに気取った装飾の一切ない、シンプルなターミナルを使用する。その名も「バジェットターミナル」。写真のとおりの倉庫のようなつくりだ。まあ、機内サービスで少々節約しても大した違いはないだろうけれども、 
	    おそらくは空港発着料金がずいぶんと安くて、それがチケット料金にそこそこ反映するのだろう。 
		  搭乗口には椅子が数人分しかなく、列に並んで立ったままで15分ほど待たされた。 
		  総括 
		  まとめていえば、僕はこういう航空会社もありだと思う。機内食は出されるからもったいなくて食べるし、映画も新作だと見ないとなんだか損をするような気がして見るけれども、なければないで、仕事をするか寝て過ごすだけのこと。機内でお酒がタダであることをいいことに、午前中からビールやワインをガブガブ飲んでいる人を見るのはなんとも不快でもある。常々そう思っているだけに、無駄を一切削った航空会社が普及してくるのはうれしい。 
		  ただ一方で、エコノミーの座席サイズというのは、人間が数時間を過ごす空間としてはいかにも狭すぎだ。飛行機以外で顔の前30センチメートルくらいのところにずっと物があるシチュエーションなんてありえない。肘掛も誰のものだかはっきりしないし。 
		  無駄なサービスは一切削り、座席だけはビジネスクラスサイズ。そんな航空会社が登場すればいいのに。せめてANAのプレミアシート並みの広さがあるといい。シンガポール―マカオ間が約5000円。それで採算が合うなら、座席数を2分の1にして料金を2倍してほしい。1万円だったら絶対に乗るのだけどなぁ。 
		  (2007年5月記)
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